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2008.08.10

RISING SUN ZERO

1999年6月末のある日,職場の上司からキャンプに誘われた.

平日夜から翌朝にかけ,場所は石狩湾新港樽川埠頭.キャンプ場もレクリエーション施設も,釣り場も自然の景観も何も無いただの空き地で,時間に伴ってどれくらいの明るさになるか,太陽がどっちの方角から昇って来るのか確かめたい.どうせなら何人かで焚火でもしながら過ごそうと.当時からアウトドア好きで通っていたし,こんな粋狂にも誘えばホイホイついて来るだろうと道連れのカモにされたのだろう.案の定2つ返事でホイホイついて行く事にした.

取り敢えず寝袋だけ持って出勤したが,普通に仕事をして会社を出たのが22:00頃.現場に行く交通機関など動いている筈も無く,当時はクルマも免許も無かったので自転車で.深夜の街を90分程漕いで石狩に入ったが目印も何にも無い.先発隊はもうはじめている筈だが,元々何んの施設でもなく,もうバカみたいに広くて,幹線道路からちょっと入ると真っ暗闇だし何処でやってるんだか分かったもんじゃない.携帯に連絡をとろうとしたら当時はPHSで圏外だった.1km四方誰もいないような真夜中の港湾通りで途方に暮れていると,視界の端に小さな花火が昇ったのが見えた.上司も自分に輪をかけた粋狂で,あっちはモグリで業務用花火の打ち揚げをするのだ.その方角と音を頼りにそろそろと進むと,やがて野原の向こうに小さな灯りと,火を囲む4〜5人の集団が見えて来た.

現場に来ていたのは上司のK原木さん,地元イベンターY本さん,N木さん,K野くん,某バンドのマネージャーN野さん,レコードメーカーのK沢くんもいたかな.日付が変わった草ボーボーの野原に車を乗り入れ,打ち棄てられた廃車の屋根にランタンを置いて,外れたホイールに花火の打ち揚げ筒を固定,不法投棄のソファーを引っ張って来て,ドラム缶BBQコンロで肉を焼いていたどこのホームレスだよ! 自分が自転車で来たと言ったらと全員ゲラゲラ笑ってまあ座れ呑め食え.神妙なオモモチで肉をつついていると,そのうち誰かの携帯が鳴り,何やら話しはじめると別の人のも鳴る.いつの間にか自分以外は全員火を囲みながら各々携帯で別の打ち合わせか何かしはじめた.やっぱこの人達ギョーカイ人だよ.

その後何発か花火を揚げたりバカ話したりしながら過ごし,車中泊とテント泊に別れたが,自分はボロソファーの上でそのまま寝袋にくるまり横になった.2〜3時間仮眠して目覚めると,辺りがしっとりして虫が鳴いている.暗くてよく分からないが霧が出ているみたい.もぞもぞ起き出して,寒さに震えながら立ち小便をし,ぼーっと周囲を見回していると,ゆっくりゆっくり空が明るくなって,白くもやのかかった草むらが見えて来た.薄灰色から枯れた緑の地面と水色の空.だだっ広いだけで別に奇麗じゃなかったけど,何んだか現実じゃないような夢幻の光景だった.そのうち太陽が昇ってきたが,薄曇りで陽の出の瞬間は見えず,結局よく分からないまま撤収して,自転車を車に積んでもらい会社迄送ってもらった.K沢くんやたら眠そうで運転事故りそうになってたっけやっぱいたよ.

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それから9年.ここも随分有名になった.あの日キャンプをしたのが何処だったのか,今行っても分かる筈ないんだけど,懐かしいような,ちょっぴり誇らしいような,不思議な気持ちで,組み上がって行く鉄骨や,草むらを踏み固めるタイヤローラーを眺めて来た.そしてあと1週間.あの時の1万倍の人が,ここに来る.わざわざ安くないお金を払って,重い荷物をいっぱい抱え,バカみたいに広い空き地を徹夜でうろうろ歩き回る.砂まみれになったり,汗だくでもみくちゃにされたり,時には雨に射たれながら,寒さに震え,トイレに並び,轟音の中風呂にも入らず眠る.そしてまた朝が来て,いつもと変わらぬ日常に戻り,この事ばかり考えて1年を過ごすのだ.

そうだろみんな? もうすぐ逢えるぜ.10回目のRISING SUN.

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コメント

お、気合を感じますな、今年は仕事はないのでしょうか?

カトマンズから直行します、ネパールティー持って行ったらチャイとか作れますか?

ではまた

投稿: kitajiman | 2008.08.11 11:53

今年はフル参戦DEATH!!
チャイでもチャパティでも作るぜ!

エスニック食材ガンガン持って来て!!
自宅or現地に配送でもいいよ.

投稿: bangchoo | 2008.08.11 14:13

了解、買いに行ってきます^^

投稿: kitajiman | 2008.08.13 11:22

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